ハローワーク求人の特徴 その６
在職中の人もターゲットにできる

ハローワークインターネットサービスのサイトでは、インターネット上で求人票を掲載したり修正したりする手続きを行うことができる以外に、「求人情報検索」という優れた機能があります。全国のハローワークの求人情報を、インターネット上で検索し閲覧することができるものです。

この求人情報検索の機能は、企業が求人関連の手続きをするためのページである「求人者マイページ」を持っていなくても利用できます。また、仕事を探している人がハローワークに登録し職業紹介関連サービスを受けるためのページである「求職者マイページ」を持っていなくても利用できます。つまり、企業であろうが人であろうが、「誰でも求人情報をネットで見られる」という機能なのです。

しかも、検索機能がとても充実しています。
検索条件として、例えば

• 就業場所
• 希望職種
• 雇用形態（正社員、パートなど）

を設定して検索をかければ、おおよそ自分の見たい求人情報にたどりつけますし、もっと細かく

• 希望する就業時間（9時～18時など）
• 残業の状況（残業無or残業月10時間以内など）
• 休日（週休2日or曜日指定など）
• 業種、人数規模
• 必要な資格
• 経験不問かどうか
• 駅近、在宅勤務可、マイカー通勤可

などを指定して検索もできます。この機能を使って検索すると、本当に自分が希望する条件で募集している会社に、瞬時にたどり着くことができるのです。

こうした機能が誰でも使えるとなると、在職中の人も就業時間後や休みの日などに、自宅のパソコンや自分のスマホで簡単に見ることができるということになります。在職中の人でも、現状の働き方や職場環境に不満を持っている人は少なくありません。残業などの労働時間に不満があるとか、職場の人間関係が耐え難いとか、上司とそりが合わないとか、通勤時間が長いとか、理由は様々です。

ただ、新しい職種や業種で一からやることに不安を持っている人が多いのもまた事実です。そうすると、「今までと同じ職種・業種で、自宅から45分以内で通えて、残業は多くても月20時間まで、という条件で募集をしているところはないかな」のような探し方をすることができ、そこでヒットすれば転職先として興味を持ってもらえるということになります。条件面に関する求職者の希望は様々ですから、無理に緩める必要はありません。法律に抵触しない範囲で、自社のありのままで良いと思います。

こうして抽出された求人票が3社あったとします。当然、探している人は3社の求人票を比較してみていくわけです。そのときに、他の2社より皆様の会社の求人票のほうが、記載内容が丁寧で分かりやすく、かつ、丁寧に書かれていたらどうでしょうか。人の心理として、雑に扱われるのを避けたいという意識がありますから、自社の状況を一生懸命文章で表現することや写真などでより分かりやすく伝えようという会社側の姿勢が感じ取れたら、求職者心理にかなりプラスに働きます。

求人票の内容を一生懸命丁寧に埋めている会社は、意外と多くありません。だからこそ、他社との差別化を図るのには持ってこいなのです。逆に言えば「他の2社」のほうになってしまい、「この会社、あんまり情報を載せていないけど、ちゃんとしているのかな？」と思われてしまっては、折角条件面で合いそうなのに面接の申込には至らない可能性が高まってしまいます。

在職中の人は、ただでさえ限られた時間のなかで、かなりの勇気をもって次の職探しに取り組んでいます。そうすると、「ここは！」と思ったところにしか、面接の申込はしません。

当社代表の鈴木は社会保険労務士事務所も経営しているので、お客様先の新規採用者が他社を退職後１日も空けることなく転職してきた方なのか、逆にお客様先を退職する人が退職時点で次の会社が決まっているのかなどの情報に触れやすい状況にありますが、在職中に職探しをしている人はかなり多いと思ってください。その点では、ハローワーク求人を失業者向けだけの求人と思って作らないほうが良いというアドバイスは、常に行っています。

最後に、「そもそもハローワークのサイトで職探しをする人っているの？」「良い人材なら、民間の求人サイトに登録して次の職探しをするはずだから、ハローワークから応募する人は質が落ちるのでは？」という疑問にもお答えしておきます。

ハローワークの職業紹介で就職する人は、年間で120万人以上もいます。月平均で10万人以上がハローワーク経由で就職しているのです。民間求人媒体が充実している現在でも、ハローワークインターネットサービスの求人情報検索トップ画面へのアクセス数は、1日平均約240万件もあります。なので、世の中では職探しにハローワークが引き続き多く利用されているとお考えいただいて大丈夫です。

人材の質に関しては、そもそも皆様の会社でどのような人材を採用したいとお考えかにもよると思います。大企業でバリバリやってきた人で、更なるスキルアップを目指して転職活動している人を迎え入れたいというような場合は、もしかしたら民間の人材紹介会社を利用したほうが良いのかもしれません。しかし、多くの中小零細企業で多いのは、「そんなに経験豊富ですごい実績がある人でなくても、教えたことに誠実に取り組んでくれる素直さと、気持ちが前向きで周囲と協調して仕事をしてくれる人間性を持っている人であれば、仕事はあとから教えるから即戦力でなくても構わない」という意見です。そもそも「そんなに給与は多く払えないから、大手求人サイトではウチは見劣りしちゃうよ」という意見もよく耳にします。

だとすれば、ハローワーク求人を利用しない手はありません。「今の職場が嫌で次を探しているけど、自分は大企業に拾ってもらえるほどの実績はないから給与も高望みはできない。せめて働きやすさだけは確保したい」と思っている人は、結構いらっしゃいます。そういう人の中に、人間性は全く問題ない方というのは当然いて、ハローワーク求人経由で面接し、本当にいい意味で迷ってしまうくらい悩み抜いて採用した人が、その後も安定して勤めてくれているケースを当社はいくつも目の当たりにしています。

ぜひ、安心してハローワーク求人利用してみて下さい。